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歯科技工納品書、歯科技工指示書の書き換え、改ざんと歯科医院の個別指導、監査の実例です。個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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歯科の個別指導、監査の実例:歯科技工指示書の書き換え、改ざん

個別指導、監査(歯科)の実例をご紹介します。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。


弁護士鈴木が力を入れる、個別指導、監査(歯科)のコラムです。

患者から厚生局に情報提供(保険と自費の二重請求)があり、個別指導となり、その際、歯科技工指示書と歯科技工納品書の書き換え、改ざんが行われ、監査に移行し、歯科医院が元保険医療機関の指定取消相当となった実例をご紹介します。近畿厚生局の平成29年11月付けの取消相当の実例であり、説明のため簡略化等をしています。

歯科技工指示書・納品書の書換え、改竄と個別指導、監査、取消し


 1 個別指導、監査の経緯

近畿厚生局の公表資料によれば、個別指導、監査の経緯は以下のとおりです。

1 患者から近畿厚生局への二重請求の情報提供
平成25年4月26日、匿名の者から近畿厚生局滋賀事務所に対し、自費の冠を装着し、患者から費用を徴収しているにもかかわらず、保険適用の冠を装着したものとして、保険請求している旨の情報提供があった。

2 個別指導の実施、歯科技工納品書の不持参での中断
平成25年8月1日、個別指導を実施したところ、直近3年分の歯科技工納品書の持参を指示していたにもかかわらず、直近1年分しか持参がなく、情報内容の疑義が確認できなかったことから、個別指導を中断し、残りの2年分の歯科技工納品書の提出を指示した。

3 歯科技工納品書の書き換え・改ざんの疑い
平成25年8月12日、当該医療機関から滋賀事務所に対し、歯科技工納品書の提出があり、その内容を確認したところ、平成24月4月以降に使用できることになった全部金属冠の略称である「FMC」及び硬質レジンジャケット冠の略称である「HJC」が、平成24年3月以前の歯科技工納品書に記載されていたことから、歯科技工納品書を書き換えていることが疑われた。

4 歯科技工指示書の書き換え、改ざんの疑い
平成25年10月3日、個別指導を再開し、平成24年3月以前の歯科技工指示書を確認したところ、歯科技工納品書と同様に、「FMC」及び「HJC」の略称が歯科技工指示書にも記載されていたため、その理由を確認したところ、開設管理者である歯科医師から明確な回答がなかったため個別指導を中断した。

5 個別指導の再開、不正請求の自認、監査の実施
平成26年3月20日、個別指導を再開したところ、歯科医師は、実際には保険適用外の冠を装着しているにもかかわらず、保険適用の硬質レジンジャケット冠を装着したものとして、診療報酬を請求していることを認めたことから個別指導を中止し、平成26年3月20日から平成28年12月6日まで計27日間の監査を実施した。

 2 取消相当の主な理由

近畿厚生局の公表資料によれば、監査で判明した取消相当の理由は以下のとおりです。

1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。

2 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。

3 二重請求
自費診療として患者から費用を徴収しているにもかかわらず、同診療を保険診療したものとして、診療報酬を不正に請求していた。

4 保険適用外診療の保険請求
実際に行った保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。

5 請求できない診療報酬の不正請求
請求することができない診療報酬を不正に請求していた。

 3 不正・不当請求金額

近畿厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成22年6月分から平成26年4月分までのレセプトのうち以下のとおりです。

 不正請求金額 35名分  85件 74万0890円 
 不当請求金額 39名分 137件 51万7180円

 4 行政処分、再指定

近畿厚生局の公表資料によれば、行政処分の内容、再指定等について、以下のとおりです。

1 処分内容
元保険医療機関の指定の取消相当

2 再指定等
原則として、指定の取消相当の日から5年間は、保険医療機関の再指定は行わない。  


個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、お電話下さい。個別指導・監査への対応を弁護士がアドバイスし、指導監査に弁護士が同席します。


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