歯科の個別指導、監査の実例をご紹介します。
個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
弁護士鈴木が力を入れる、
個別指導、監査(歯科)のコラムです。
ここでは、患者から厚生局に架空請求の情報提供があり、その結果、個別指導、監査となり、歯科医院が保険医療機関の指定取消相当、歯科医が保険医の登録取消となった実例をご紹介します。近畿厚生局の平成29年6月付けの取消しの実例であり、説明のため簡略化等をしています。
患者から保険者への情報提供(架空請求)での保険医取り消し
1 個別指導、監査の経緯
近畿厚生局の公表資料によれば、
個別指導、監査の経緯は以下のとおりです。
1 患者から近畿厚生局への架空請求の情報提供
平成26年2月13日、患者から尼崎市及び兵庫県を通じて近畿厚生局兵庫事務所に対し、平成25年2月以降通院していないにもかかわらず、同年2月から同年8月の診療分が医療費通知に記載されている旨の情報提供があった。
2 度重なる患者からの架空請求の情報提供
また、平成26年4月24日及び同年9月3日にも、患者から健康保険組合、尼崎市及び兵庫県を通じて兵庫事務所に対し、通院していない期間の診療分が医療費通知に記載されている旨の情報提供があった。
3 個別指導の実施、中断
平成26年11月13日、個別指導を実施したところ、指導対象患者の診療録の一部、歯科技工物に係る指示書及び納品書並びにエックス線フィルム等、多数の書類について持参がなかった。また、診療内容の質問に、開設・管理者から主治医が誰かも含め明確な回答がなかったため、個別指導を中断した。
4 個別指導の再開、中止、監査の実施
平成27年2月26日、個別指導を再開したところ、多数の患者について、診療報酬を不正に請求していることが強く疑われたため、個別指導を中止し、平成27年7月30日から平成28年10月6日まで計18日間の監査を実施した。
2 取消処分の主な理由
近畿厚生局の公表資料によれば、監査で判明した取り消し処分の理由は以下のとおりです。
1 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
2 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
3 振替請求実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
4 保険適用外診療の保険請求 実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
3 不正・不当請求金額
近畿厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成22年11月分から平成27年2月分までのレセプトのうち以下のとおりです。
不正請求金額 33名分 170件 102万Ⅰ413円
不当請求金額 31名分 165件 41万8041円
※ 監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
4 行政処分、再指定
近畿厚生局の公表資料によれば、行政処分の内容、再指定等について、以下のとおりです。
1 処分内容
保険医の登録の取消 2名
元保険医療機関の指定の取消相当
2 再指定等
原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から5年間は、保険医の再登録及び保険医療機関の再指定は行わない。
個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、お電話下さい。個別指導・監査への対応を弁護士がアドバイスし、指導監査に弁護士が同席します。
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